中国の男性同性愛概観

中国の男性同性愛「男同」

中国語で男性の同性愛を男同性恋、略して男同という。

男同にも細分化されたカテゴリーがあるが、おおまかなカテゴリーとしてタチとネコに二分されることは、男同の嗜好がない人にも知られた常識である。

タチとネコは男役、女役と説明されることもあれば、肛門性交において挿入する側がタチで、挿入される側がネコであると説明されることもある。

中国語ではタチを「攻」といい、ネコを「受」と呼んでいる。

現在でも国によっては男同は忌避され禁止、抑圧されている。

現在では男同を蔑視の対象としていない国においても、歴史を振り返れば男同を迫害していた国は多数存在する。

このような事情を考えれば、中国には際立った特徴がある。

中国では男同に寛容であり、男同を禁止する法律も刑罰も作られたことがないのである。

それどころか中国には男同の元祖は黄帝であるという説すらある。

黄帝は中国神話時代の神とも聖人ともいわれる伝説上の王である。黄帝は単に聖人であるだけではなく、医学の祖であるとされている。

中国医学における最重要の医学書は『黄帝内経』という書物であるが、ここにも黄帝の名が現れるのだ。

これほど偉大な王が男同の祖だというのだから、数々の皇帝が男同の実践者として歴史に名を留めているのは不思議ではない。

中国では古くから男同は迫害されるどころか、広く社会に蔓延していたのである。

この記事ではまず以前の中国での男同について紹介する。

現代中国の状況だけを知りたい方は、記事の下のリンクから記事の後半へ移動していただきたい。

孌童と貞男

中国の古い書物には孌童(らんどう)という言葉がしばしば登場する。

この見慣れない言葉を調べてみると、男同と同義だという説明がある。

しかしよくよく調べてみると、孌童は単なる男同ではなく、美少年を弄ぶことを意味するのである。つまり日本でいう稚児遊びが孌童なのである。

中国において孌童は古くから広く行われていたようである。

もう死語であるかもしれないが貞女という言葉がある。

これは夫に対する貞節を固く守る女性という意味である。

多くの人は貞女という言葉は聞いたことがあるが、貞男という言葉は聞いたことがないだろう。

女性の立場からしてみれば、女だけが貞節を守らなければならないとは不公平だと思われるだろう。

面白いことに中国には貞男という言葉が存在する。もちろん貞節を守る男という意味である。

貞男は架空の概念ではない。

いにしえの貞男として知られる人物がいる。

その人物は6世紀、北斉の学者で許散愁[xǔ sàn chóu]という人物である。

許散愁はどのようにすれば自らを高めることができるかと問われたとき、自分は若いときから「孌童の床に登らず、少女の部屋に入らず」うんぬんと答えている。

これは性的な放埓を忌避してきたという意味である。それゆえに許散愁は貞男であることになっているのだ。

しかしそれは、まあ、どうでもよい。

問題は孌童が女色と同列に併記されていることであり、さらに言えば、女色よりも先に孌童を避けてきたことを述べている点である。

つまり当時の中国において孌童はそれだけ一般的な現象だったということである。

誰もしないようなことを「私はしない」などと敢えて述べるはずがないからだ。

おそらく孌童は、少なくとも宮廷に出入りするような人士にとっては、女色と同じ程度に普及蔓延していたのであろう。

Posted by YangShiCui

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