広東省の小学生強姦殺人事件
これも中国では非常に注目された事件である。
2016年1月18日、広州の番禺小学校の女生徒が登校中に男に襲われた。
男の目的は強姦であった。しかし通学路の草むらに連れ込んだため、声を出されて発覚することを恐れた犯人は、女生徒を殺害してから遺体を姦淫して逃亡したのである。
犯人は間もなく逮捕された。その時点で犯人は19歳であった。
問題はこの犯人の過去である。
この犯人は2010年に自分の故郷(広西)の村で男児ひとりを殺害した前科があったのだ。しかし当時犯人は14歳未満であったため、何ら責任を問われていない。
これだけではない。
翌年の2011年にはやはり故郷の村で女児に刃物で怪我を負わせて検挙されているのだ。この時は14歳になっていたので有期徒刑6年の刑に処せられたのだが、後に減刑になり出所していたのだ。
小学生の遺体発見直後に犯人が特定されたのは、公安に犯人の詳細なデータが残っていたからだろう。
14歳未満と言えども、殺人を行った人間を野放しにするのであれば、次の被害者が出ないようにする制度の存在が前提でなければならない。これはそのことを痛感させる事件だ。
湖南省の女教師殺人事件
2015年10月18日、湖南省・邵東県・廉橋鎮の新廉小学校で、53歳の女性教師が殺害された。
犯人は11歳、12歳、13歳の男子3人だった。
3人はネットゲームでつながる友人同士だったようだ。
18日の昼頃、3人は新廉小学校の塀を乗り越えて敷地内に侵入し、学校内の売店でパンなどを盗んだ。
3人に気づいた女教師が窓を開けて何をしているのかと訊ねたので、3人は「水を飲みに来た」と嘘をついた。
嘘がバレないように3人は屋内に入り水を飲んだが、そのときに女教師のテーブルの上に財布があることに気がついた。
さらに姿を目撃された以上、売店での窃盗が発覚するのは時間の問題だと考えた3人は、女教師を殺してカネを奪うことにした。
いったん外に出た3人は、校内にあった木材を持って校内に戻り、女教師を殴り殺したのである。
3人は死体を床下に隠し、血痕を墨汁で隠蔽し、女教師の携帯電話の電源を切って投棄した。
その後3人は旅館に部屋をとり、シャワーを浴びてから、ネットカフェでゲームに興じたという。
次の日、13歳の犯人だけは学校に行ったが、残りの二人はゲームを続けていたそうだ。
どのように調べたのかは明らかにされていないが、公安は事件発生の4時間後には犯人を特定していた。恐らく監視カメラにでも写っていたのだろう。
13歳の犯人は学校の制服を着たまま手錠をかけられて連行された。残りの二人はネットカフェで逮捕された。
3人は14歳未満であれば刑事責任を負わないことを知っていて犯行に及んだそうだ。
結局、3人は野放しになっている。
もちろんこの事件は当時大きな注目を浴びた。その結果、犯人の家族は職を失うなどして、それまでの生活が続けられなくなった。
しかしその結果犯人が更生することなど期待できない。むしろさらに反社会的な傾向を強める可能性のほうが強いだろう。
Posted by 編集長
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