崑崙山の渓谷
青蔵高原の崑崙山地区は、全長100キロ以上、幅33キロ、面積は3300平方キロメートルの広大な地域である。
海抜は3200メートルから4000メートル。富士山の山頂よりも高い。
この地区に那稜格勒[Na leng ge le]という峡谷がある。
6000メートル級の山々の雪解け水を集める那稜格勒川が作り出した渓谷だ。
不気味な名前
那稜格勒峡谷には不気味な別名がいくつもある。
地獄之門 死亡谷 魔鬼谷
どれも死を想起させる不吉な名前だ。那稜格勒峡谷にこのような名前がつけられるには、もちろんそれ相応の理由がある。
この谷に迷い込むと人も家畜も雷に打たれて死亡するというのだ。
実際に那稜格勒峡谷には大型の哺乳動物の骨が多数散乱している。
しかし雷に打たれた動物の死体や骨が残るのはまだ理解可能な現象だ。なんとも不可解なことに、那稜格勒峡谷では生物が消失し、死体すら残らないことがあるというのだ。
例えば1976年には13頭のラクダを連れて那稜格勒峡谷を通過しようとしたキャラバン隊が完全に消失する事件が起きている。
このような事件は昔から起きていたらしい。だからこそ那稜格勒峡谷は地獄之門として恐れられてきたのだ。
那稜格勒峡谷で発生した奇怪な事件はこれだけではない。
遊牧民怪死事件
1983年、ある遊牧民が那稜格勒峡谷に侵入した。牧場に放った馬が峡谷に迷い込んだため、後を追ったのだ。
その男はそのまま行方不明になり、数日後、付近の岡の上で遺体となって発見された。
服は破れ両足はむき出しになっていた。目を見開き口を大きく開けていたという。手には猟銃を携えていた。
不思議なことに体には傷がなく、何かに襲われた形跡はなかった。つまり死因が不明なのである。
健康体の人間が無傷のまま死亡することは通常はあり得ない。那稜格勒峡谷には我々の想像を絶する未知の「何か」が潜んでいるのだ。
謎の現象
1983年、地質調査隊が那稜格勒峡谷を調査した。
7月の那稜格勒峡谷は酷暑であった。しかしある日、調査隊は雷鳴とともに暴風と雪に襲われた。
そのときなぜか炊事当番の男が失神したという。
後にこの男は雷鳴が聞こえた直後に体が痺れ、視界が暗くなり意識を失ったと述べている。
次の日、周囲を見渡すと、もともと黄色であった土地が黒く変色し、植物が全て死に絶えていたという。
体の痺れ、黒く変色という現象からは、雷に近い電気的な作用が働いたと考えられる。
しかしそれは雷そのものではなかった。
仮に雷が落ちたのであれば、隊員の誰かが認識していたはずだからである。
磁気の乱れ
地質調査隊の調査によると、那稜格勒峡谷の地磁気は大きく乱れていた。
なぜ地磁気が乱れているのか、原因は定かではない。
地磁気の乱れはその後も観測されている。地磁気の乱れが観測される範囲は広いが、とりわけ那稜格勒峡谷の谷に下りると乱れが激しくなるという。
異常な雷の発生や、動物がこの地域に迷い込むのは、地磁気の乱れと何らかの関係があると推測されている。
また異常な電気的作用が生じるのも地磁気の乱れと無縁の現象ではないだろう。
異星人の関与
崑崙山一帯は超常現象の多発地帯として有名だ。
その多くに関して、異星人の関与が疑われている。崑崙山脈のどこかに異星人の地下基地があるという説は、異星人に興味を持つ者にとっては常識と言ってよい。
異常な地磁気の乱れは自然現象ではなく、地下に隠された何らかの構造物が原因と考えるべきであろう。地下の構造物とは、もちろん異星人の基地を意味するのだ。
さらに気になる情報がある。
中国政府もしくは人民解放軍の内部組織が、崑崙山系の異星人とコンタクトを取っているというのだ。
つまり中国共産党の上層部は崑崙山系の秘密を知っているのだ。しかしその具体的な情報は厳重に秘匿されている。
なぜなら中国が異星人とコンタクトを取る主要な目的は、軍事技術の獲得だからである。
現在中国は地球外生命体の先進技術を軍事転用しつつあるのだが、その事実は他国に対する軍事的優位を保つために極秘扱いとなっている。
考えてみて欲しい。
日本はノーベル賞の受賞数で圧倒的に中国を凌駕している。その日本がロケット実験に失敗することがあるのに、中国は有人宇宙飛行を成功させているのはなぜか?
中国の宇宙技術開発の背後には異星人の技術があるからに他ならない。
中国としては、本来ならUFO型の推進技術、すなわち反重力エンジンを搭載した宇宙船を開発したいところであろうが、その技術はまだ中国側に渡っていないと言われている。
そこには異星人と中国政府のあいだの駆け引きがあるらしい。
同じ理由から、量子コンピュータを使った素因数分解計算装置も、まだ開発されてはいないようだ。
しかしもし仮に中国政府が異星人の要求を受け入れて、反重力推進装置や素因数分解計算装置を手に入れれば、地球の状況は一変することになる。
地球製のUFOは常識になり、インターネットの暗号通信は無効になり、ビットコインは無価値になる。
全ては異星人と中国政府との交渉結果に依存しているのだ。