日本で報道されないベトナム事情
ベトナムも共産党政権の国である。しかしベトナムは親中の国とは到底言えない。
むしろベトナム人の反中感情はかなり強いのだ。
そもそもベトナムはスプラトリー(中国名・南沙)諸島の領有権を主張している。
このことひとつとっても尖閣諸島を脅かされている日本と似た状況なのだ。
また中国のベトナム漁船に対する威嚇や、中国が建設した発電所による土壌汚染にも怒りの矛先が向かっている。
鉱物資源を採掘するための森林破壊も中国が関与しているとして非難されている。
政府の外資誘致に抗議
中国はベトナムの高官の一部を抱き込んで、自国に有利な政策を実現させようと働きかけている。
政府高官を抱き込んで他国を操る手法は中国共産党の常套手段である。このことにベトナム国民はすでに気付いている。
ベトナム政府の外資誘致政策は実質的には中国企業の進出を促進する政策だと疑われているのだ。
政府の外資誘致政策に対してベトナム人は反中デモという形で抗議の姿勢を示している。
反中で集結するベトナム国民
中国と異なり、ベトナムでは国民がSNSで情報を自由に交換している。
抗議の対象が「中国」となるとすぐに多くの国民が集結する雰囲気ができあがっているようだ。
ベトナム人の反中感情はすでにベトナムに進出している中国企業が、ベトナムでどのようにふるまっているかの反映である。
政府の高官さえ抱き込めば、他国の国民などどうにでもなるという傲慢な姿勢。このような態度が現地の住民から忌み嫌われている。
ベトナム人から嫌われているのにベトナムでのビジネスが成功するはずがない。
中国はこの常識を理解しなければならない。