映画「阿修羅」に対する中国国内での評価

映画「阿修羅」とは

2018年7月13日に公開された映画「阿修羅」が中国だけではなく海外でも話題になっている。

この映画、まず制作費がすごい。

7億5000万元(およそ120億円)の製作費は中国映画としては破格だ。もちろん中国映画史上最高額である。

制作には6年の年月が費やされた。

もちろん映画というビジネスには多額の広告費も必要になる。

阿修羅には莫大なコストが投じられてきたのだ。

しかし現在話題となっているのは、この映画に投じられたコストに関する話ではない。

あまりにもヒドイ駄作との評判で話題になっているのだ。

ネット上でも阿修羅は酷評されている。

中国ネット民の論評を紹介しよう。

映画評

重金打造的垃圾
巨費で作られたゴミ

烂片王
駄作の王

一共五人睡着了两个
五人の観客のうち二人が寝てた

想看到底有多烂
どんだけヒドイのか見てみたい

当时看海报以为是烂片,没想到还真是啊!
広告をみてヤバイと思ったけど。本当にヤバかったとは!

能吃饭为什么要吃屎?
メシを食えるのにどうしてクソを食う必要があるんだ?

它成了外国媒体眼中的一个笑话
外国メディアの笑い話になっている

最好不要让人记得存在过最好
存在したことすら記憶に残さないほうがよい

我国人民观影水平极大提升
我々の映画を観る目も進歩したものだ

萌獣

中国のSF映画には「萌物」または「萌獣」と呼ばれるキャラが現れることが多い。

阿修羅にもカボチャの怪物が現れるのだが、これがまた評判が悪い。

トマトにトウモロコシを突き刺したように見える、玉ネギの間違いじゃないかなど、そもそもカボチャに見えないという意見もある。

しかもこのキャラ、チープな感じがする。巨額の製作費をかけてこのキャラはないだろう。

特に日本ではみうらじゅんの影響により、この手のキャラには「ゆるキャラ」臭を感じてしまう人も多いだろう。

このキャラについては中国人も、見かけもセリフも「真的很恶心(マジでキモい)」と言っている。

それが正常な感覚だろう。

カボチャをバカにするなとの批判すら出ている。

陰謀論

ネット上には「阿修羅」に意図的に低い評価をつけている人たちがいるとの陰謀論も書き込まれている。

《阿修罗》遭恶意差评
「阿修羅」は悪意ある低評価を受けている

しかしこうした書き込みこそが情報操作の可能性も否定できない。

実際に上映を継続できない状況になっているのだから、陰謀論の流布自体が陰謀であると考えるのが順当だろう。

別の陰謀論もある。

この映画作成自体がマネーロンダリングを目的としたものだという陰謀論だ。

マネロンが目的なので、映画の完成度は最初からどうでもよかったというだけだ。

まあ、さすがにそれは言い過ぎだろう。