烤全羊
内モンゴルには烤全羊(羊の丸焼き)という名物料理がある。
烤全羊は羊を一匹丸ごと焼く豪快な料理だ。
ただし現在の中国で作られる烤全羊は、羊をそのままの姿で焼くのではなく、いわば「ひらき」のように処理してから焼くことが多い。
このほうが火が通りやすいし、グロテスクな感じもしないので一石二鳥なのだ。
しかし中国10大禁菜のひとつとされている炭烤乳羊は、羊を原型の姿のままゆっくりと時間をかけて焼く料理である。
炭烤乳羊
炭烤乳羊の「素材」は妊娠中のメスの羊である。
妊娠中のメスの羊をそのまま炭火でじっくりと焼く。それが炭烤乳羊という残酷料理なのである。
大きな羊をそのままの姿で焼くには時間がかかる。
胎児にまで火が通るように、じっくりと時間をかけて炭火でメスの羊を焼く。
そして十分に火が通ったところで羊の腹を裂き、中から胎児を取り出し、その胎児を食すのである。
大変に美味であると言われているが、妊娠中の羊を丸焼きにする残酷な料理であるため、中国十大禁菜のひとつにリストアップされている。