外科医からのメッセージ
興味深い小ネタを拾ったのでご紹介しよう。
中国の病院には急診という部門がある。日本でいう救急外来に相当する部門だ。
この急診の外科医が次のようなメッセージを発信したという情報が注目を集めてBUZZっている。
直腸から異物が抜けなくなった急患が来ました。レントゲンを撮ったら電球が写っていました。電球を取り出したいのですが、ふたつの条件があります。
1.電球を割らずに取り出す(不能把灯泡弄碎)
2.手術を行わない(尽量不做手术)
このふたつの条件を満たしつつ電球を取り出す方法をご教授下さい。
以上である。なお、わかりやすくするために意訳というか超訳した。
中国の病院の規模は一般的に言って非常に大きい。
通常であれば病院内の医師に応援を求めれば済むことである。しかし日本と同様に、大病院と言えども夜間の体制は意外に手薄だ。
SNSで訊ねたということは、恐らく夜間だったのだろう。つまりこのメッセージの発信者は若手の当直医だった可能性が高い。
寄せられたアドバイス
このメッセージがSNSで拡散したため、多数のアドバイスが反って来た。
直腸にロックされた異物をどのように取り出すのか各位の見解を紹介しよう。
婦人科の女医Cというハンドルネームの人物は次のように言っている。
電球に大サイズのコンドームを被せて引き抜くとよろしゅうございます。こうすると脱肛しますが、この際、脱肛は大した問題ではございません。
これは明らかにニセ医者の解答だ。直腸にロックされた電球にコンドームを被せることなどできるはずがない。
イチゴマークのユーザーは次のように提案している。
バルーンカテーテルを電球の奥まで挿入してからバルーンを膨らませればどうだ?
もっともらしい解答だが、このような方法では電球は出てこないようだ。
下剤を飲ませろという意見も少なくないが、これも電球がロックされた状態を解消する手段にはならないようだ。
白衣咸飯という人物は次のように言っている。
瞬間接着剤で電球にコードを接着し、完全に接着したのを確認してからコードを引っ張ればよい。
これも医療の専門家の解答とは思われない。DIYと治療を混同している。
肛門も門だからノックすれば出て来るという珍回答もあったが、ノックしても出て来る可能性は低い。
電球には耳がないからだ。
本物の医者らしき人たちの回答を見ると、麻酔してから筋弛緩剤で括約筋を弛緩させ、電球を引き抜くという意見が多い。
医師のコメントによると肛門への異物挿入はよくあるケースだそうだ。

医師と思われる人たちのコメントを見ると、ニンジン、メガネなどを取り出したとする経験談も語られている。
通常は開腹手術まで行くケースは少ないそうだが、手術が必要になる場合もあるらしい。
また異物挿入による大出血に至ることもあるようだ。
その他のコメント
質問への回答の他にも様々なメッセージが乱舞している。
とりあえず光らせてみろ。
こんな大きなものが入るのか?
取り出す方法の前に、どうして電球が直腸に入ったのか気になる。
電球を入れるのは患者の自由とプライバシーの問題、電球を取り出すのは医師の責任であり使命だ。
脱線
患者が女性か男性かという点にもネット民の関心が集まっている。
実は男女の骨盤の形状は異なるので、レントゲン写真を見慣れた医療関係者には一目瞭然らしい。
男女の骨盤の違いを解説したネット上の資料はたくさんあるので、それを参考にして、これは女性だと主張するネット民もいる。
ただし多くのネット民は患者は男性だと考えているようだ。肛門に電球を挿入するのは男だというのが中国の常識らしい。
電球からのメッセージ
SNSには「挿入された電球」からのメッセージも来ていた。
お前ら騒ぐな。自分から出て行くから。
実際にどのような方法を用いたかは明らかではないが、電球は無事に取り出されたそうである。