すぐそこにいる怪獣の子孫

古代の怪獣伝説

中国の古い書物には様々な怪獣が登場する。

古代中国に生息していた怪獣は現在どうなっているのだろうか?
その答えはひとつだけではない。

怪獣の運命は大きく分けて3パターンに分かれたと言われている。

ひとつは絶滅である。多くの巨大怪獣は気候変動や人類による攻撃により、完全に絶滅してしまったと考えられている。

もうひとつは個体数の極端な減少である。怪獣の中には現在でも生き延びている種が存在するのだが、それらは山の奥地や水中深くに潜んでいて、通常は人間の目には触れることはないのだ。

さらにもうひとつ特殊なパターンがある。

それは形質転換である。進化あるいは適応と言い換えてもよいだろう。

つまり古代中国で頻繁に目撃されていた怪獣の一部は、環境変化に適応して姿を変え、現在も生き延びているのだ。

この説に対しては次のような異論がある。

生物進化には何万年という時間を必要である。数千年前に記録されている怪獣がそう簡単に姿を変えるはずはない。

一般的にはこのようなイメージを持つ人が多い。

しかし犬の品種改良を考えれば明らかなように、ほんの数代の交配だけで生物の見た目は大きく変化するのだ。

だから数千年前の怪獣が、現在ではコンパクトなサイズの生物に姿を変えているとしても、何ら不思議ではない。

あまりにも身近な怪獣の子孫

生物のDNAの中には祖先の姿が記録されている。

例えば我々人間のDNAにも魚だった時代の記録が残っているのだ。だから我々は母体の中で先ず魚の姿になる。ちゃんとしっぽが生えているのだ。

その後、進化の過程をたどって、人間の形に変化するのだ。

これと同じように、怪獣の子孫のDNAには怪獣のDNAが保存されている。

そのDNAは通常は封印されているが、何らかの刺激によって封印が解かれると、怪獣の面影が顕在化するのだ。いわゆる先祖返りである。

動物の種によって先祖返りしやすい種と、ほとんど先祖返りしない種があるようだ。

人間は先祖返りしにくい。だから人間がサルを生んだという話は非常に少ないのである。

その一方で比較的容易に先祖がえりを起こす種もある。そして先祖返りしやすい怪獣の子孫が我々の身近に存在するのだ。

それはである。

奇怪な豚の性質

中国には「牛は麒麟を生み、豚は象を生む」という伝説がある。

これだけでも豚のDNAの中に怪獣のDNAが保存されていることをうかがわせる。

しかしさらに驚くべき証拠が存在するのだ。

実は現代中国においても、豚が怪獣を生む事件が何件も発生しているのだ。

典型的なのは伝説通り象に似た形状の怪獣を生むケースである。

例えば吉林市・龍潭区の江北郷・大屯村で生まれた豚の子は、画像が拡散したため、非常に有名である。

確かに象を小型化したような姿をしている。

同じような怪物は安徽省・青陽県でも生まれている。やはりこちらも象にそっくりである。

中国では豚が象に似た怪物を生むケースは多数報告されている。

恐らく豚のDNAには古代の怪物のDNAが保存されているのだ。しかもそのDNAの「封印」は弱いのである。

象に似た怪物は環境汚染による奇形だと考える人もいるだろう。

しかし昔から「豚は象を生む」という言い伝えがあったことを考えると、豚の「先祖返り」現象は化学物質による環境汚染が始まる以前から存在していたと考えるべきなのだ。

豚のDNAに潜む謎

豚が象に似た怪獣を生むのは、中国では常識に近い話だ。

しかし豚はさらに別のタイプの怪獣を生むこともある。

貴州省の農村では豚が猿に似た怪獣を生んだとして話題になったことがある。

確かに猿に似てはいるが、猿とも違うように見える怪物だ。恐らく古代の怪物から引き継いだDNAが発現した結果であろう。

なぜ豚はあるときは象に似た怪獣を生み、あるときは猿に近い怪物を生むのだろうか?

言うまでもなく怪獣同士の交配の結果である。

先祖返りの頻度から考えれば、豚の祖先は象に似た怪物であったことは間違いない。その怪物が進化する過程で猿に似た怪物と交配したのだ。

その子孫が現在の豚なのである。

豚の存在こそが、かつての怪獣の存在を証明している。