不死人
永遠に死なない方法はあるのだろうか?
中国の古い文献には永遠の命を手に入れた人物の話が無数に記録されている。
かつての中国では永遠の寿命を手に入れた人を仙人と呼んでいた。仙人と聞くと架空の存在にすぎないと思われるだろう。しかし仙人は最も権威のある正史にもたびたび記録されているのだ。
例えば『旧唐書』に記録されている張果老(ちょうかろう)は則天武后(624年から705年)の時代にすでに数百歳であったという。
勅使が訪問すると死んでいたが、後日別の場所で目撃されている。張果老は何度も死んでは生き返ることを繰り返していたというのだ。
また『宋史』によると呂洞賓(りょどうひん)は数百歳の年齢にもかかわらず童子のような容貌であったそうだ。
元以降の歴代王朝から神であると公認されるほどの仙人である。呂洞賓は日本ではあまり知られていないが、中国では財神、武神として今でも親しまれている。
また『明史』には張三豊(ちょうさんぽう)の記録がある。張三豊は太極拳の創始者として有名だが、実は仙人だったのである。
朱元璋(しゅげんしょう:1328年から1398年)も永楽帝(1360年から1424年)も張三豊を招聘しようとしたが辞退されている。
権力者と仙人
仙人の記録を見ると多くの場合に皇帝に招聘されている。
それは当然だろう。
歴代皇帝の最大の願望は不老不死である。永遠の命を手に入れる方法を知っている仙人を呼んで、自分自身も不老不死を実現したいと考えたのだ。
しかし皇帝の招聘を辞退するのが仙人の流儀らしい。仙人から不老不死の秘術を伝授されて永遠の命を手に入れた皇帝の記録は残されていないのだ。
目的が卑俗な場合には仙術は効果を発揮しないと言われている。例えば仙術の対価として金銭を受け取ると仙術の効果が生じないこともあるらしい。
恐らく永遠の命を得て享楽を貪りたいという皇帝の動機を知っている仙人は、皇帝が不老不死になるのは無理と見抜いて最初からコンタクトを避けたのだろう。
宮廷に呼ばれてた後に皇帝の要望が叶わなければ、皇帝から過酷な仕打ちを受ける可能性がある。このような危険を予め避けるあたりがいかにも仙人らしい。
不死人になるための条件
不老不死になるためには様々な方法があるとされている。
もっとも手軽な方法は丹薬(たんやく)という薬を飲む方法だ。ほとんどの中国の歴代皇帝は丹薬を服用していた。
しかし不老長寿どころか非常に短命の皇帝も少なくない。
恐らく丹薬が効果を発揮するためには、丹薬を服用するだけではなく最低限度の修行なり鍛錬なりが必要なのだ。
過酷な自然環境の中で苦しい修行を続けた者が仙人になったという話が多い。仙術の修行は座禅や瞑想のような静的な修行ではなく、体を動かして気を巡らせる動的なものであるという。
つまり仙術の修行には武術の修行と相通じるものがあるのだ。実際に道教修行者の中には武芸の達人が少なくない。
宮廷の中で安穏な暮らしをしているだけではいくら丹薬を服用しても不老長寿は望めない。これは中国の歴史が証明している現実なのだ。
思いがけない不死人情報
通常国家の支配者は肉体の鍛錬とは無縁であることが多い。多忙であり享楽的な誘惑が多いからだ。
ところが中国の海外情報通によって現代の国家の支配者の中に不死人がいるとの情報が暴露された。
あのウラジーミル・プーチンが不死人だというのだ。
確かにプーチンは一風変わった支配者である。若い頃には相当に鍛錬を積んだ武術の達人らしい。しかも東洋の武道に非常に強い関心を抱いているという。
肉体を追い込む修行の経験者だけに、プーチンは不死人となる資格を具えた人物であると言えなくもない。しかしそれだけでプーチンが不死人だというのでは、あまりにも飛躍した推論である。
プーチンと武術のかかわりは、プーチンが不死人であることの必要条件にすぎないのだ。しかし我々は必要条件を超えた情報を入手している。
プーチンが不死人である証拠があるというのだ。
その証拠はヤン・ファン・エイク(1395年から1441年)の有名な絵画『アルノルフィニ夫妻』である。
この絵画のタイトルを知らなくても画像を見ればどこかで見たことがあると思われるはずだ。
この男性の顔に注目していただきたい。
情報通によるとこれがプーチンだというのだ。確かに似ている。いや、確実にウラジーミル・プーチンである。
ヤン・ファン・エイクは15世紀に活躍した画家である。つまりプーチンは少なくとも600年以上は生きていることになるのだ。
600年以上も生きているのにプーチンの容貌はいまだに若々しい。これこそ不老不死である。プーチンは確実に不死人なのである。