新疆の存在し得ない古代の遺物

柴達木

中国国内最大の塩湖・青海湖。その名にちなんだ青海省の西部にに柴達木(ツァイダム)という名の巨大な盆地がある。その大部分は荒涼とした砂漠である。しかも土壌の塩分が強いため特殊な植物しか育たない。

さらに一部の地域では強風が絶えないというのだ。ツァイダムには長年にわたって人が生活したことがない土地が広がっている。

あらゆる生物にとって非常に過酷なこの土地は豊富な地下資源に恵まれている。鉄、銅、錫、石油、天然ガス。そして塩だ。

ツァイダムは古いモンゴル語だそうだ。一説には塩を意味する言葉であるという。確かにツァイダムには33もの塩湖があり、また干上がった塩湖のあとには雪のような塩が堆積している。美しい見た目とは裏腹に塩に覆われた土地は死の世界なのである。

奇妙な発見

ツァイダム盆地の東北部に托素湖という湖がある。この湖の周辺も通常は無人の土地だ。地上は死の世界であるが地下には貴重な資源が埋蔵されている可能性がある。

かつてこの地域に地質調査隊が入ったことがある。そのメンバーたちが「あるはずがないもの」を発見したのである。

托素湖の南岸に高さ50メートルほどの崖があった。その崖の壁に入り口の形が三角形の洞窟があったそうだ。

入り口の高さは地上から2メートルほどのところにあり、まるで人工的に作られたかのように奇麗な形をしていた。

洞窟の深さは6メートルほどであった。内部の高さは一番高い所で8メートルほど。洞窟というよりも岩肌にできた穴程度の規模だ。

洞窟の壁を見ていた隊員は驚愕の声を上げた。人跡未踏の土地にあるはずがないものがあったからだ。

それは金属製のパイプであった。金属製のパイプは岩を貫いて洞窟の中に達していた。それだけではない。洞窟の床から地底に向かうパイプも発見されたのだ。パイプにはサビが出ていたので古い鉄製のパイプによく似ていたそうだ。

これらのパイプは先にパイプを通す穴を開けてからパイプを通したのではなく、何か特殊な方法により直接岩に突き通されたとしか思えないほど岩と密着していた。

隊員のひとりは「饅頭に竹の箸を刺したように」密着していたと形容をしている。現代の技術を使っても、このように岩に密着させてパイプを通すことは不可能であるという。

かつてその土地に高度な技術をもつ何者かが存在したことは間違いないのだ。

相次ぐ発見

洞窟での発見に驚いた隊員たちは洞窟から出てからも不自然な遺物はないかと目を光らせていた。

一行が托素湖の湖畔に近づいたとき一同は立ちすくんだ。

洞窟で発見したパイプよりもやや細い金属製のパイプが大量に散らばっていたからだ。

それらのパイプは湾曲していたり、十字に交差していたり、紡錘形であったりと、さまざまな形状をしていた。やはり古い鉄パイプのようにサビが付いていたという。

人の気配が全くない死の世界に工業的に製造したとしか思われない金属製品が散らばっている不思議。それはあまりにも不気味な光景であった。

遺物の正体

調査隊は自分たちが発見した金属製のパイプを持ち帰った。

そもそも調査隊の目的は金属資源の探索である。調査隊を派遣したのは金属メーカーの研究部門であった。金属分析は彼らの得意分野なのである。

分析の結果92%までは成分を特定できた。しかし残りの8%は専門家の技術を持ってしても特定できなかったという。

調査隊員のひとりは不気味な金属製品の正体を明らかにするためにパイプを別の研究機関に持ち込んでさらに精密な分析を依頼した。

その分析によると主成分は鉄であった。奇妙なことに鉄に微量に含まれる珪素の含有量が火星の鉄に含まれる珪素の含有量と非常に近かったというのだ。

このようなパイプが地球上に存在することそのものが大きな謎なのである。

異物を残したのは誰か

考古学者によると托素湖の周辺にはかつて人類が暮らしていた形跡があるという。しかしそれは人類が金属加工技術を知るよりもはるか昔のことである。

托素湖の周辺で人類が金属製のパイプを製造した可能性はゼロに限りなく近いのだ。

しかし高度な技術によって製造された金属のパイプは現に存在する。

では誰が作り誰が設置したのか?

人類が製造したのでないとすれば、地球外生命体の関与を疑わざるを得ない。言うまでもないが中国には托素湖周辺で発見されたパイプは宇宙人の遺物であると考えている人が多いのだ。

ツァイダム盆地は高地に位置する盆地である上に空気が澄んでいるので、光線を使った宇宙空間との交信に適した土地である。

そこで托素湖周辺の遺物は宇宙人が地球外の何者かと交信するための施設と関係があるのではないかと考える人がいる。つまり托素湖の周辺にかつて宇宙人の基地があったと言うのだ。

この説は発見された金属製のパイプが地球外で作られた可能性が強いという事実と符合する。しかも青海省を含む中国の西部はUFO多発地帯なのである。ツァイダム盆地には今でも宇宙人の基地があるのではないかと推測する人がいるくらいなのだ。

多くの人はかつて托素湖周辺に宇宙人が定着していたと信じている。