戦慄すべき大災害の予兆「陰兵過路」

陰兵過路とは何か

中国には陰兵過路という言葉がある。陰兵過路の「陰兵」とは冥界の兵を意味する言葉である。「過路」は道を通過するという意味だ。

つまり冥界の兵が隊列を組んでこの世を通過する現象が陰兵過路なのである。陰兵借道と書かれることもあるが同じ意味である。

陰兵過路は閻魔大王の巡察であると言われている。

閻魔大王は本来なら冥界に鎮座していなければならない存在だ。では閻魔大王はなぜ隊列を率いて「この世」に現れるのか?

その真の答えを知っているのは冥界の住人だけなのだが、多くの中国人は陰兵過路は人間の大量死と何らかの関係があると考えている。

陰兵過路の恐ろしい意味

中国では昔から陰兵過路の目撃談は少なくない。陰兵過路に気がついたらうつむいてやり過ごさなければならないと言われている。

もしも顔を上げて隊列を直視したり、陰兵過路を振り返って見たりすると、鬼が生命の炎を吹き消し、冥界に連れ去ると考えられているのだ。

陰兵過路は不吉である。

陰兵過路は大災害の発生と密接な関係があると考えられている。天変地異や大規模な疫病発生の前後に陰兵過路の目撃証言が急増するからだ。

陰兵過路と大災害発生との具体的な関係は不明である。

大災害を発生させるための訪問者が陰兵過路だと考えることもできるが、予め大災害を察知して大量に死亡する人間の魂を捕えるために現れるのが陰兵過路であるとも考えられる。

唐山地震

1976年7月。河北省唐山市を中心とした大地震が発生した。マグニチュード7.5の都市直下型地震である。

この地震により唐山市は壊滅状態となり、犠牲者が24万人を超える未曾有の大惨事となったのである。

地震の直後、災害救助のために人民解放軍の特別部隊が派遣された。この部隊に参加した兵士の奇妙な証言が残されている。

軍用車両が災害地まであと1時間ほどのところまでさしかかったとき、車両が突然止まってしまった。整備担当の兵士が調べてもどこに異常があるのかわからず、立ち往生したまま夜を迎えたそうである。

異様な隊列

午後8時ごろのことだ。車両の運転席にいた20代の兵士は奇妙な光景を目にした。

それは馬車の隊列であった。

何台もの馬車が唐山の方向からやってきて、災害救助隊の車両の横を通り過ぎて行ったという。

不思議なことにその馬車には御者がいなかった。御者台には淡い緑色のあかりを放つぼんぼりが下がっているだけだったという。

しかも馬車の荷台には人間の頭部が満載されていたというのだ。

そのような馬車の隊列が15分ほどかけて兵士の目の前を通り過ぎて行ったそうである。馬車の総数は100台はくだらなかったという。

後にその兵士は「あれが陰兵過路だったのか」と述懐したという。

唐山での目撃証言はほんの一例に過ぎない。

四川大地震

2008年に四川省汶川で発生した大地震の際にも陰兵過路は目撃されている。

やはりこれも災害救助に参加した兵士の証言である。

夜を徹して被災地に向かっていた隊員の車列に停止命令が伝えられた。時刻は夜の2時ころであった。

外を見ると全ての車両が停止していた。しばらくすると全ての光を消すようにとの指令が伝えられた。車内の装置、携帯などはもちろんタバコの火も消せとの徹底ぶりだった。

命令に従って闇の中で待機していると5分ほどしてから金属の擦れ合う音が聞こえてきた。それに続いて馬の足音と多数の人間の足音が聞こえてきたという。

音のする方を見ると、うっすらとした光の中をテレビ時代劇で見たことがある古代の軍隊と同じような服装をした隊列が移動していたという。

この証言からは軍の幹部が陰兵過路について何らかの情報をつかんでいる可能性がうかがえる。そうでなければタイミングよく陰兵過路をやり過ごすための命令を出すことはできないはずなのだ。

人民解放軍の内部には一般人が知らない怪奇現象に関する情報が蓄積されていると言われているが、陰兵過路についても出現のタイミングを予知する何らかの情報があるのかもしれない。

冥界との結節点:故宮

陰兵過路が常に天変地異と関係するとは限らない。実は北京の主要な観光スポットである故宮は陰兵過路がしばしば目撃されるエリアとしても有名なのである。

故宮は清朝の宮殿である。現在は博物館として一般に開放されているが、実は全敷地のおよそ半分は非公開となっている。

全てを公開したほうが観光資源としての価値が高くなるのだが、あえて非公開にするにはそれだけの理由がある。

実は故宮の敷地内には「この世」と「あの世」の道が交じり合う地点があり、そこに人々が迷い込まないようにするための配慮なのだ。

故宮でしばしば陰兵過路が目撃されるのは、故宮のどこかに冥界と人間界の中間的な地点が存在し、その地点が陰兵の通り道になっているからである。

つまり故宮で目撃される陰兵過路は「この世」の陰兵過路ではない。半ば冥界をのぞき込むようにして異界の兵士を目撃しているのだ。

故宮で陰兵過路に出会うということは、一歩間違えば「あの世」に引き込まれかねない危険な状況なのである。

管理が緩かった時代には多くの目撃証言が残されているが、最近は警備担当者ですら立ち入り禁止区域へは簡単に近づけないほど管理が厳しくなっているそうだ。これは政府上層部の意向だそうだ。

故宮の一部区域はそれくらい危険視されているのだ。

Posted by 編集長 妙佛大爺

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