石油界のドン
周永康は石油管理局長、石油工業部副部長を経て最終的には中国石油天然気集団の総経理(社長)に就任する。
このような事情があるので、周永康は中国の石油業界に大きな影響力を持っていた。これが巨大な利権の源泉となったのである。
1998年には国土資源部長に就任している。この場合の部長は日本でいえば各省のトップに相当する地位である。
その後数年だけ四川省の党幹部を務めた。このことにより周永康には四川利権があるとも言われる。
しかし四川に赴任していた期間はそれほど長くはないので、石油利権ほどの巨大利権があったとは思われない。
2002年には中央政治局委員に選出された。この年には公安部長に就任している。
中国では裁判、公安(治安)、警察、諜報などの部門を総称して政法部門と言うが(三権分立とは程遠い仕組み)、周永康は公安部長に就任した時点で政法部門のナンバーツーになっていた。
政法部門は政府高官の弱みを握る立場なので巨大な利権を有する。これが石油利権、四川利権に並ぶ周永康の第3の利権となったと言われている。
2007年にはついに「殿上人」である中央政治局常務委員に昇進した。日本でいえば大臣クラスの地位だが、実際には大臣以上に巨大な権力を有する。