独立運動抑圧の急先鋒・陳全国

チベット時代から

陳全国は2011年8月にチベット自治区党委員会書記に就任している。

陳全国の前任者は張慶黎(ちょうけいれい)である。張慶黎は陳全国とは逆に、もともとは新疆ウイグル自治区の支配者であった。そしてチベットでは徹底的な力による支配を推進した人物であり、非常に評判が悪い。

張慶黎

陳全国が赴任した直後は、少なくとも張慶黎よりはマシだろうと期待されていたくらいだ。

なお張慶黎は強硬な政策で世界中から非難されたが、チベット人の独立運動をコントロールすることはできなかった。

共産党中央からすれば、治安維持には成果がなく、中国の評判を落としただけの人物ということになる。

つまり中国共産党は陳全国が張慶黎よりも「もっと上手に」チベットを支配することを期待していたのだ。

そして陳全国はどうやらその期待に応えたようだ。陳全国の支配は武力だけに頼る支配ではない。

徹底した情報収集、生活のあらゆる面への介入、経済支配など、多方面作戦を使ってチベットの中国化を推進したのだ。

2016年8月から
新疆ウイグル自治区党委員会書記
新疆生産建設兵団党委員会第一書記
第一政治委員(公安部門のトップ)

現在、陳全国は新疆ウイグル自治区の支配者である。このことは中央政府が陳全国のチベットでの行政を評価していることを意味する。