独立運動抑圧の急先鋒・陳全国

李克強の片腕

陳全国の河南省副省長時代に省長として河南省に君臨していたのが李克強である。

李克強

ふたりの年齢は同じだ。同世代ということが常にプラスに作用するとは限らないが、陳全国と李克強の場合はプラスに作用したらしい。

河南省時代に陳全国は李克強との強力なパイプを形成し、李克強の影響によって陳全国は党の要職を与えられることになったと言われている。

これは余談になるが、陳全国がチベットの支配者に抜擢され、それに引き続いてウイグル人支配の急先鋒役に任命されたことは、北京政界の人間模様をうかがわせるサインでもある。

一時期、習近平と李克強の不仲説が盛んに宣伝されたことがあるが、習近平政権が李克強の腹心とみなされている陳全国に重要なポストを与えたという事実から考えると、習近平と李克強の不仲説は江沢民周辺から流されたフェイクニュースである可能性が高い。

少なくとも李克強は習近平に敵対するような姿勢は示していないと見るべきだ。

陳全国の手法

陳全国のウイグル人支配は徹底している。各国のメディアが報道しているのは次のような政策だ。

監視装置の大量設置
武器になりうる生活用品(包丁など)の管理
ウイグル文化(イスラム的習慣)の破壊
強制収容所の建設と強制収容
共産党員とウイグル人を同居させる政策
ポイント制での人物評価・管理

さらに新疆でのビジネスの暗黒面も指摘されている。その代表例は地下資源開発であるが、さらに大きな問題は臓器売買ビジネス疑惑だ。

中国当局は組織的にウイグル人の臓器を摘出して遠方に輸送している可能性が極めて高い。

臓器運搬用の特別輸送ルートの存在や、臓器摘出の証拠を隠滅するために遺体を強制的に火葬しているなどの事実が指摘されている。

こうしたビジネスに陳全国が関与している証拠はないが、ウイグル人の人権を無視した政策がこのようなビジネスを成立させていることは間違いない。