黄泉の国からの使者「黒白無常」は実在する

神廟

その後、村人たちは死んだ子供たちを祀る神廟を建てた。

廟には黒白無常の像が安置された。村人たちはふたりの子供が黒白無常の化身であると信じていたからだ。

村人たちは熱心に参拝したようである。しばらくするとその廟に礼拝すると願いが叶うという評判が広がった。

白無常は信仰心の篤い人たちの願いを叶えるというから、このような評判が立つのも不思議ではない。

評判が評判を呼び、村外からわざわざ拝みに来る人も来るようになり、そのせいで村は大いに潤ったそうだ。

かつては畑だけの農村だったその村は今では団地が建ち並ぶ地方都市になっている。今でも多くの人が黒白無常を拝みに訪れるそうだ。

この廟にはひとつだけ犯してはならない禁忌がある。

女性は絶対に赤い服を着て廟に入ってはならない。花嫁衣装と同じ赤い色の服を着て参拝すると必ず精神に異常をきたすと言われている。