黒白無常
中国では死者の魂を「あの世」に連れ去る神がいると信じられている。日本で牛頭馬頭(ごずめず)と呼ばれる牛頭馬面がその代表的な神の名だ。
その牛頭馬面と並び称されるのが黒白無常である。
黒白無常は黒無常と白無常という2柱の神である。両者ともに閻魔大王に仕える冥界の武将である。
白無常の名は謝必安という。
白無常は背が高く色が白く常に笑みを絶やさない。
頭には「一見生財」と書かれた帽子を被っている。帽子に書かれている文字は「你也来了」だという説もある。
「お前も来たか」という意味であるが、なぜそのような文字が書かれるのかわからないだけに不気味だ。
白無常は単に魂を連れ去るだけではなく、信心深い人たちに幸運をもたらすとも言われている。通常は白爺の愛称で親しまれている。
黒無常の名は范無救という。
色が黒く太っていて恐ろしい表情をしている。
頭には「天下太平」と書かれた帽子を被っている。
「正在捉你」と書いてあるという説もある。「今捕まえてやる」という意味だ。黒無常の役割から考えれば「天下太平」よりも似つかわしい。
黒無常は罪人の魂を情け容赦なく連れ去ると言われている。通常は黒爺の愛称で親しまれている。