楽山大佛の閉眼事件

楽山大佛

四川省の楽山に巨大な摩崖仏(まがいぶつ)がある。高さは71メートル、耳の長さだけで7メートルもある石仏だ。

この石仏は唐の玄宗皇帝の時代に開削が始まり、およそ90年の歳月を費やして完成された。

巨大な石像であるから国家事業によるものだと思う人もいるだろう。しかし実は海通という名の僧侶が個人的に発願して造られたものなのだ。

楽山大佛は岷江、青衣江、大渡河という3本の河が交差する地点にある。

どの河も水運の大動脈であった。しかし河が交わる地点で水の事故が絶えなかったと言われている。なぜかこの付近で多くの舟が沈没していたのだ。

水流が複雑であることも理由のひとつであろうが、霊的な磁場が影響していると考えるのが当時の一般的な発想である。

霊的な力を鎮めるのが大仏建立の目的であった。

建設を主導した海通は大仏の肩の部分まで完成した時点で亡くなった。このとき工事は一時中断したが、その後も工事を引き継ぐ有志が現れて完成に漕ぎつけたのである。

怪奇現象

仏像が完成するまでのあいだにいくつもの怪奇現象が起きている。

大仏の目前には水怪が棲んでいたそうだ。大仏を彫刻するときに削り取られた岩は水怪の棲み処を塞いだという。

腹を立てた水怪は巨大な波を作って工事現場を襲ったが、石工たちが石を投げつけて応戦し、逆に水怪を倒したと言われている。

一時期は工事現場にかなりの数の職人がいたようだ。彼らが投げつけた大量の石はまるで雨のように見えたという。今でも水怪はその時に投げつけられた石の下に埋まっているそうだ。

抉られた目玉

工事を引き継いだ僧侶は中国の各地から寄付を募っていた。多数の職人を常駐させるだけの銀が集まっていたようだ。

楽山に赴任した役人がその工事資金に目を付けたことがあるそうだ。

役人は手下を連れて工事現場に行き、工事を監督する僧侶を呼び出して叱責した。このような大規模な工事をするには役所の許可が必要なのに無断で工事をしているのは犯罪に等しいという言いがかりである。

僧侶がもう何年も前から工事をしているのに今になって急に犯罪呼ばわれりされるいわれはないと応じた。

しかし役人の目的は工事資金であるから正論を述べても無駄であった。役人は罰金として莫大な額の銀を支払うように言い渡した。そしてもしも要求に応じなければお前の目玉を抉り取ると脅したのである。

すると僧侶は自分の指で目玉を抉り出して役人に差し出した。驚いた役人は後ずさりした。役人はそのまま崖から転落して即死したという。あまりの恐怖に後ろが崖になっていることを忘れていたのだ。

役人が転落すると僧侶の目玉は眼窩に飛び込んで元通りになったという。役人の手下は一部始終を目撃していた。それ以来役所では大仏の造営に手出しをしなくなったそうだ。

閉眼事件

怪異な伝説が付きまとう楽山大佛は現在でも怪奇現象を起こす大仏として知られている。

1962年以来大仏が目を閉じたり泪を流す現象が何度も目撃されているのだ。

1962年は100年に1度と言われるほどの凶作が3年連続で続いた年である。数万人規模の餓死者が出たため遺体の埋葬すら滞ったと言われている。

この年に大仏が目を閉じて泪を流したのだ。

人々の惨状を悲しんで大仏までもが泪を流したという噂が広がった。しかしこのときは単なる噂だと考える人も多かったようだ。

翌年の1963年になっても食糧事情は改善しなかった。餓死者はさらに増え続けたのである。

そして再び大仏が泪を流した。

今度は大仏の顔に泪の跡がはっきりと残った。中国政府はこの話が拡散するのを恐れたという。中国の歴史には超常現象の噂が広がることで政府の基盤すら危うくなる前例があるからだ。

政府は大仏の清掃という名目で泪の跡を洗い流そうとした。しかし完全に泪の跡を消すことはできなかった。このときの泪の跡は現在でも確認することができる。

1976年にも大仏が泪を流した。

この年は河北省で唐山大地震が発生している。24万人以上が死亡した大地震である。あまりにも悲惨な災害を哀れんだ泪だと言われている。

発光現象

2002年には大仏が光に包まれる神秘的な現象が目撃されている。5月7日の午前9時43分、大仏の上空に大きな光の輪が現れたのだ。

目撃者の証言によれば光の輪の直径は300メートルほどもあったという。これだけ巨大な発光現象であったから、かなり離れた地点からも目視できたようだ。

輪の内側は赤で外側は紫色だった。光の強さは絶えず変化していたという。

この現象は数万人が目撃したと試算されている。楽山大佛が怪奇現象の多発地帯であることは間違いない事実なのだ。

付記

2017年にも大仏が目を閉じた姿が目撃されている。この現象が何らかの事件の予兆だったのか、それともその場限りの怪現象だったのか、明らかにされてはいない。

ある人物は中国のどこかで大事件が起きたために大仏が瞑目したのだろうと言っている。

2017年に唐山大地震に匹敵するほどの事件が発生したという情報はない。しかし実際には大事件が発生していたという噂はある。その事件は政府にとって都合の悪い事故であったため、隠蔽されているというのだ。

数年後、あるいは数十年後に真相が明らかになるかもしれない。

Posted by 編集長 妙佛大爺

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