中国史ミステリー:毛沢東暗殺未遂と林彪事件の謎

毛沢東暗殺未遂事件

毛沢東の後継者になるはずだった林彪の事故死は何を意味するのだろうか?

現在の中国では次のように説明されている。

林彪はクーデターを計画し、毛沢東を暗殺しようと画策していた。

ところがクーデターが失敗したため、飛行機を使ってソ連に逃亡し亡命しようとした。

しかし何らかの原因で飛行機が墜落し、林彪は死亡したというのだ。

墜落原因については、事故、燃料切れ、機内での争い、ソ連軍による撃墜など様々な説がある。

これはいわば中国共産党の公式見解だ。

しかし中国においては歴史は政治なのである。

だからこの公式見解に対しては疑問が投げかけられている。

そもそも林彪は本当に毛沢東暗殺やクーデターを計画していたのだろうか?

当時毛沢東はすでに77歳であった。明文で後継者に指名されていた林彪は、ただ待っていればよかったのだ。

そうすれば林彪は毛沢東の後継者になれたはずだ。後継者指名が撤回されないうちは、敢えて危ない橋を渡る理由などなかった。

だから毛沢東暗殺やクーデター計画は捏造されたストーリーだという説も有力だ。

林彪事件のきっかけは林彪の側にあるのではなくて、何者かが仕掛けたのではないかという説もある。

当時の中国共産党(毛沢東あるいは林彪のライバル)には林彪を消さなければならない何らかの理由があり、事故に見せかけて殺害したとか、実際には北京で殺害されていたなどという説もある。