中国で語られる地震発生前の動物たちの異常行動

動物たちの地震予知能力

日本ではナマズに地震予知能力があると言われている。

中国にも動物には地震の予兆を捕えることができる特殊なセンサーがあるという考え方がある。

唐の時代の長安(現在の西安)に瞿曇悉達(くどんしった)という人物がいた。

不思議な名前であるが、それもそのはずで、この人の祖先はインド人なのである。

瞿曇悉達は占星術師であり、天文学者でもあった。中国にインド数字のゼロを紹介した人物としても知られている。

瞿曇悉達の著作『開元占経』には、非常に多くのネズミが路上に出てきて鳴き声を上げた後に地震が発生したとの記述がある。

唐の時代にはすでに地震の前に動物が異常行動を見せる事例が観察されていたのだ。

中国では地震による津波で死ぬのは人間だけであり、動物はいち早く危機を察知して逃げるため、被害を受けないと考えているひともいる。

日本ではナマズの予知能力だけが突出して有名だが、中国では多くの動物に地震を予知する能力があると考えられているのだ。

魚類の地震予知能力

中国では地震の前に魚全般が異常行動を示すと言われている。

つまり異常行動を示すのはナマズに限られないのだ。さらに淡水魚、海水魚の区別なく異常行動を示すと言われている。

例えば地震が迫ると、通常は目にすることがない深海魚が、海面近くまで浮上してくると言われている。

奇怪な魚の出現は地震の前兆とされているが、これはグロテスクな深海魚が地震を察知して浮上してくることと関係がありそうだ。

地震の前にはなぜか魚は浅い海域に浮上してくるようだ。その結果、漁獲量が増えることになる。

中国の漁民のあいだでは、異常なほどの大漁は地震の前兆であると言われているそうだ。

この現象は淡水魚にも共通している。

河北省唐山で大地震が発生した1976年7月28日前後には、おびただしい数の川魚が水面近くに浮上して来たため、誰でも簡単に魚を捕えることができたそうだ。

また草魚の養殖池では地震発生の3日前から草魚が異常行動を示していた。

ふだんはおとなしい草魚が、水面から30cmも跳ね上がったり、頭を下にして直立するような姿勢で泳いだり、激しく回転を繰り返していたというのだ。

唐山市では金魚が暴れて水槽の外に飛び出していたという話も有名だ。

また地震の前日には天津の河口付近に大量のクラゲが出現し、さらに小魚の群れが現れたため、信じられないほどの大漁になっていたそうだ。

この他にも地震が近づいてくると、魚が腹を上に向けて泳ぐとか、異常な興奮状態を示して泳ぎまわるとか、気絶してしまうとか、死亡するなどという話も語られている。