中国で発生した「一家皆殺し」の実例

河南安陽滅門案

事件現場:河南省安陽内黄県高堤郷王俄村
事件発生日:2016年6月7日
被害人数:5名
捜査状況:解決

2016年6月7日、河南省安陽の農村で一家五人全員が殺害される事件が発生した。

殺害されたのは夫婦と子供二人(5歳と8歳)、妻の母親である。

夫は入り婿であったから、妻の母親と同居していたのだ。なお妻の父親は事件のおよそ1年前に事故で死亡していた。

殺害された遺体はその日のうちに発見され、夜10時少し前に救急車が呼ばれたが、すでに全員が死亡していたという。

犯人は翌6月8日の午前11ころに逮捕された。これほどのスピード逮捕となったのには理由がある。

犯人のWは被害者宅から5kmほど離れた所に住む男であった。

この男は事故死していた被害者の父親に当たる人物と商売上の付き合いがあったそうだ。

しかし後にトラブルが発生し、商売上の関係は断絶していた。

トラブルの具体的な内容は明らかではないが、その後もWは被害者一家に敵意を示していたという。

事件発生の数日前にもWは被害者一家の妻に「お前の家族を皆殺しにしてやる」と脅迫していたのだ。

このため被害者一家は監視カメラを設置して警戒していた。

事件当日、Wは被害者宅に侵入し、先ずブレーカーを遮断してから一家を皆殺しにした。

しかし監視カメラの電源はブレーカーで遮断されない別の電線から供給されていたため、犯行の一部始終が克明に記録されていたのだ。

Wは付近の街でアルバイトをしていたらしく、事件の翌日もアルバイト先に現れた。まさかすでに公安が犯人を特定しているとは考えていなかったのだろう。